2019-01-01から1年間の記事一覧
眼のある風景 眼がじっと観客を見ている。 眼がなければ、空かな? 洞窟かな? と 幻想的な風景を楽しめるが、 眼があることで、一気に緊張感が増す。 とても不気味に感じる。 雲に隠れていても、洞窟の奥に隠れていても、無駄だ。 見ているぞ。 警告を発し…
Harmless Kitty 着ぐるみを着た幼児がオマルの上に座って、 苛立たしげな目を観客に向けている。 トイレット・トレーニングの最中で、 「見るな」という気持ちで、観客に対してすごんでいる感じがする。 なぜ、この絵に多くの人が惹き付けられるのだろうか?…
ヌード 1917 裸の女性が横たわっている。 眼を閉じ、腕を頭の後ろに組んでいる。 リラックスしている状態のようだ。 見ていると、安らかな気持ちになる。 ベッドと布団以外の家具がない。 ごちゃごちゃしておらず、 その点からも、見ていて落ち着く。 やはり…
理知と混沌の結婚Ⅱ まったく分からない。 タイトルを見てみると、“理知と混沌の結婚Ⅱ”とある。 すると、黒地が混沌、線が理知に見えてくる。 私たちにも当てはまることに気がつく。 黒地が私たちの心の中にうごめく欲望、 線が欲望を抑える理性。 理性が欲望…
絵画 タイトルを見ると、≪絵画≫とある。 そうすると、 上部中央の黒は画家の目、 右の赤は描きたい気持ち、 左の青は冷静な気持ちを表わしている気がしてくる。 目で見て描きたい気持ちが膨らんだ一方、 気持ちのまま作品にぶつけるのではなく冷静になれ と…
旗 汚れたアメリカ国旗が描かれている。 今、日本で汚れた日本国旗を描いたら、 どうなるだろうか? 「不謹慎だ」「愛国心が足りない」 「芸術だから何を表現して良い、というわけじゃない」 と言う人が出てきそう。 こういう絵を描けるということは、 表現…
雨 瓦に雨粒が少しついている。 雨が降り始めたところだろう。 ぽつぽつと音が感じられる絵だ。 瓦はきれいに見える。 それなりの家の瓦なのだろう。 洗濯物を慌てて部屋の中に取り込んでいるところ かもしれない。 雨が降り始める前に買い物に行っておけば…
移住連作 後ろを向いた3人と女性が数字を掲げている。 数字を振っているように見えないことから、必死さはなさそうだ。 手から緊張感も伝わってこない。 リラックスしている感じだろうか。 高台から下にいる人に合図を送っている感じだ。 この高台の建物は…
記憶の固執 時計が歪んでいる。 時空間のひずみが起きているのか。 時間を大切にしていないことへの警告なのか。 描かれた風景は荒涼としており、 精気はほとんど感じられない。 朽ち果てた感じ。干からびている感じ。 アリだけは元気そう。 少量の水と食べ…
眠れるジプシー 月夜の砂漠に1人の女性が眠っている。 どこに寝ても良い気ままさや、しがらみのない自由さを感じる。 一方で、淋しさも感じ取れる。 脇には楽器が置かれている。 行く先々で弾き語りをして生計を立てているのだろうか。 反対側には動物がい…
塔 日本人画家による作品は、大好きな作品から。 火事に遭い、木が炭になってしまった塔。ボロボロになっている。 それでも立ち続けている。 その根性、圧倒的な存在感に、ものすごく魅せられる。 パワーを感じる。 小さいことにクヨクヨするな。 立ち向かい…
フォリー=ベルジェールのバー 2019年9月10日(火)~12月15日(日)まで東京都美術館で 2020年1月3日(金)~3月15日(日)まで愛知県美術館で 2020年3月28日(土)~6月21日(日)まで神戸市立美術館で 開催される“コートールド美術館展”で 見ることができる作品を取り…
アヴィニヨンの娘たち 中年に見える女性がいろんなポーズをとっている。 左側の茶色は壁、中央の女性の後ろの白はテント、右側の青は空で、 女性たちが屋外の白いテントの中にいる感じがする。 右上の女性は顔にペイントをほどこしていることから、 祭りの準…
エミリー・フレーゲの肖像 2019年4月24日(水)~8月5日(月)まで国立新美術館で 2019年8月27日(火)~12月8日(月)まで国立国際美術館(大阪)で 開催される“ウイーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道”展で 見ることができる作品を取り上げます。 くじゃ…
線路脇の家 雲1つない青空に、青い屋根の家がぽつんと1軒だけある。 寒々しい。不気味な感じもする。 地面が見えない。 地に足がついていない感じもする。 地面がどうなっているか分からず、 不気味な感じを増幅させる。 窓の日よけ、上がっている所がある…
偽りの鏡 目に雲が映っている様子が描かれている。 なんだ? よく分からない。 タイトルを見てみる。 “偽りの鏡”とある。 確かにそうだ。 鏡も目も対象物を映す点では同じが、 描かれているのは鏡ではなく目だ。 この絵を見ていると、 空を見ている時、 目に…
三人の女性 褐色の肌の女性1人と、白人女性2人が描かれている。 白人の2人は、髪の分け方は逆だが、顔は似ており、 双子の姉妹に見える。 3人とも裸である。 ポップな感じの部屋にいる。 3人ともソファーの上で、くるまったり、寝そべったり、 飲み物を…
愛の歌 白い頭部の石こう、赤い手袋、緑のボール。 何だか分からない。 タイトルを見てみる。 “愛の歌”とある。 すると、赤い手袋は受け止めるものの象徴で、 女性を表現している気がしてくる。 緑のボールは動き回るものである精子や睾丸の象徴で、 男性を…
ユディトⅠ 2019年4月23日(火)~7月10日(水)まで 東京都美術館で開催されるクリムト展で 見ることができる作品を取り上げます。 白人の女性が金に囲まれて うっとりとした表情をしている。 一方で、右下の男性はうつむいている。 男性を従え、金に囲まれ、 お…
サン=トロペの港 朝焼けしている港に、漁師が漁から戻ってきている。 明るい色使いから、活気が感じられる。 庶民の暮らしの充実ぶりがうかがえる。 よく見ていくと、 奥の岸は暖色の黄色や赤が中心で明るい一方、 手前の岸は寒色の青が中心で暗い。 コント…
ばら 野に咲くバラ。 花に惹かれて近づくと、 トゲが刺さるだろう。 たくましさを感じる。 周りの草花とのバランスが取れており、 目立ち過ぎて浮いていることはなく、 個性が無さ過ぎて埋もれていることもない。 忙しい日常生活を送っていると、 このバラの…
ピアノを弾く妻イーダのいる室内 扉の向こうで妻イーダと思われる女性が ピアノを弾いている。 テーブルの上には灰皿が置かれているが、 その近くにはイスがない。 イスを画面の手前に置き、 そこに座ってイーダを眺めていそう。 イーダについては、 肩が下…
静物 テーブルの上にペン立て、鉛筆削り、重し のような物が置いてあるように見える。 しかし、はっきりはしない。 どうやら、個々の物に関して、 あれは何か、これは何かを考えても仕方がなさそう。 色使いから、 使い古されて静かにたたずんでいる物が 多…
墓に運ばれるキリスト なぜこの場面が切り取られたのだろうか? キリストの頭部を抱えている赤い服を着た男は 急いで地下の墓にキリストを運ぼうとしているよう。 男の表情は切迫しているように見える。 男は“地上はけがれている。一刻も早く地下に連れてい…
波 荒々しい波が下部に描かれている。 上部には多くの雲が描かれており、 雲の下部は少し赤味がかっている。 朝焼けなのか、夕焼けなのか。 不気味な印象を抱かせる。 変化の予兆を感じさせる。 波からは立ちはだかる壁、 泡からは色々なものがごちゃ混ぜに…
海辺に立つブルターニュの少女たち 暖かそうな服装をしているが、 目を下に移すと足は裸足。 手のゴツゴツさや少女たちの厳しい目つきにも目が行く。 厳しい生活が推測される。 一方で、右下に描かれている雑草からは 少女たちがたくましく生きていることも…
雪のアルジャントゥイユ 踏みしめた雪の跡から、多くの人が行きかったことがうかがえる。 厳しい自然の中、たくましく生きていることがうかがえる。 人が二人屋外に出ている。天候が回復したのだろうか。 手前の人は中年男性のようで、動いている感じがしな…
忘れえぬ女 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで2019年1月27日まで開催されている 展覧会で見ることができる作品を取り上げます。 イワン・クラムスコイはロシアの画家だそうです。 美しい女性が中央に描かれています。 侮蔑したような目線に、≪忘れえぬ女≫と…
叫び ムンク展が東京都美術館で2019年1月20日まで開催されているので、 ≪叫び≫を取り上げることにします。 叫んでいる姿ではなく、 叫び声をきいて、耳をふさいでいる姿が中央に描かれている。 彼は何に対して恐怖を感じているのだろうか。 描かれていない彼…
イル=ド=フランス きれいな女性4人がたわむれている。 いかにも楽しそう。 「そんな所に突っ立っていないで、こっちに来たら」と誘っていそう。 そんな楽しいことには絶対に裏がある。罠だと思ってしまう。 奥の橋が境界になっていて、 彼女らに「あっちに…