絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

007.ポール・ゴーギャン ≪海辺に立つブルターニュの少女たち≫ 1889年

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海辺に立つブルターニュの少女たち

暖かそうな服装をしているが、

目を下に移すと足は裸足。

手のゴツゴツさや少女たちの厳しい目つきにも目が行く。

厳しい生活が推測される。

 

一方で、右下に描かれている雑草からは

少女たちがたくましく生きていることも想像される。

 

少女たちの厳しい目つきを見ていると

自分の落ち度を探してしまう。

自分の豊かな生活が

少女たちの貧困の上に成り立っていないか

考えさせられる。

 

自分は自分に対して甘くなりがち。

他人の目を介さないと、自分を厳しく見つめることは難しい。

 

少女たちに見られて恥ずかしくない生活を送っているか。

自分の生き方を振り返る契機になる作品に思えた。