絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

027.ジャスパー・ジョーンズ ≪旗≫ 1954ー55年 MoMA(ニューヨーク近代美術館)

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汚れたアメリカ国旗が描かれている。

 

今、日本で汚れた日本国旗を描いたら、

どうなるだろうか?

 

「不謹慎だ」「愛国心が足りない」

「芸術だから何を表現して良い、というわけじゃない」

と言う人が出てきそう。

 

こういう絵を描けるということは、

表現の自由が保証されている、ということだろう。

 

なぜ作者はこの絵を描いたのだろうか?

 

アメリカは50の州から成り立っており、

50州が力を合わせて国難を乗り越えよう。

こんなメッセージが国旗には込められていると思う。

 

それが汚れているということは、

個人主義に走り、自分さえ良ければ良い

という考えが広まっていることへの警告のように見える。

 

もしそうなら、現代にも通じるメッセージだ。