058.エドゥアール・マネ ≪オランピア≫ 1863年 オルセー美術館、フランス
正直、ぎょっとした。
ヌードの白人女性の後ろに、黒人の家政婦が描かれている。
白人の気品ある男性が後ろにいたら、
白人の女性は恥ずかしさで
このようなポーズは取れないだろう。
黒人の女性だから、
対等な人と扱っていないからこそ、
そのようなポーズを取っているのだろう。
なぜ黒人の家政婦が描かれているのか。
白人女性のヌードだけで良いのではないか?
黒人女性がいるのは、白人女性をより際立たせるためだろう。
引き立て役を担わされているのだろう。
そう見ると、黒人女性が持っている花も
作品全体に華を添えているように見える。
現在の価値観からすれば、
極めて不適切な絵と言わざるをえない。
しかし、当時の価値観では、
特段不適切ではなかったのだろう。
本作品の現在の評価が、とても気になる。
以前はとても評価が高かったが、
現在はその不適切さから
評価が下がってきているのならば、理解できる。
しかし、現在でも大傑作として位置付けられているのならば、
はなはだ疑問を感じざるをえない。