028.ジョアン・ミロ ≪絵画≫ 1953年 国立西洋美術館
タイトルを見ると、≪絵画≫とある。
そうすると、
上部中央の黒は画家の目、
右の赤は描きたい気持ち、
左の青は冷静な気持ちを表わしている気がしてくる。
目で見て描きたい気持ちが膨らんだ一方、
気持ちのまま作品にぶつけるのではなく冷静になれ
といった画家の葛藤が表現されている気がしてくる。
下部に目をやると、
画家、画家の長い手、作品が描かれている気がしてくる。
手が長く、巨大な作品を描きたい気持ちはあるものの
実際に描けるものは※印のようなわずかなものぐらい、
ということを表現している気がしてくる。
改めて全体を見ると、
上部右の赤の周りの黒に目がいく。
こんな絵を描いてよいのだろうか、
誰も見向きもしないのではないか、
といった画家の描きたい気持ちを削いでいく不安に見えてくる。
画家が日々感じていることを
ありのままに描いた作品に見えた。