絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

013.ポール・シニャック ≪サン=トロペの港≫ 1901-02年 国立西洋美術館

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サン=トロペの港

 

朝焼けしている港に、漁師が漁から戻ってきている。

明るい色使いから、活気が感じられる。

庶民の暮らしの充実ぶりがうかがえる。

 

よく見ていくと、

奥の岸は暖色の黄色や赤が中心で明るい一方、

手前の岸は寒色の青が中心で暗い。

コントラストをなしている。

 

日が照っている部分がある一方で、

日が照っていない部分がある。

日が照っていなくても

黙々と働いている人の存在をうかがい知れる。

 

日が照っていようが、日が照っていまいが、

日々を懸命に生きている人の存在を改めて認識する。

 

全体の明るい雰囲気からは

日々のなすべきことをコツコツこなしていけば、いい未来が待っている

というメッセージが送られているような気がした。