絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

061.吉原治良 ≪黒地に赤い円≫ 1965年 兵庫県立美術館

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黒地に赤い円

赤は血かなと思う。

描かれたものが×印だったら、危険というメッセージを

受け取っただろう。

◯なので、血の上に平和が成り立つんだ、

平和ボケするな、といったメッセージを感じる。

 

赤は唇で、中の黒は口の中にも見える。

赤はリンゴで、黒い石をぶつけられているようにも見える。

 

いずれにしても、不気味さを感じる。

赤がもう少し具体的な形をしていたら、

何を意味しているのかが分かり、

不気味さは低減していただろう。

 

何が描かれているのか分からない。

だからこそ不気味さの増す作品だ。