絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

029.フランク・ステラ ≪理知と混沌の結婚Ⅱ≫ 1959年 MoMA(ニューヨーク近代美術館)

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理知と混沌の結婚Ⅱ

まったく分からない。

 

タイトルを見てみると、“理知と混沌の結婚Ⅱ”とある。

すると、黒地が混沌、線が理知に見えてくる。

 

私たちにも当てはまることに気がつく。

黒地が私たちの心の中にうごめく欲望、

線が欲望を抑える理性。

理性が欲望を上手に抑えている状態を

ステラは“理知と混沌の結婚”と呼んでいそう。

 

つつがなく社会生活を送るためには、

混沌=欲望をうまく抑える必要がある。

 

なぜ同じものが2つ描かれているのだろうか?

 

例えば、もう少し寝たい気持ちに占められている中、

私たちは学校や仕事に間に合うために、なんとか起きている。

1回うまく起きられただけでは、たまたまかもしれず、

2回できて自信につながる

ということだろうか。

 

欲望が抑えつけられ過ぎて、息苦しく感じる部分もある。

乱れた線が少しでもあったら、

本作に対してほっとした気持ちになるかな、とも感じた。