絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

018.エドワード・ホッパー ≪線路脇の家≫ 1925年 MoMA(ニューヨーク近代美術館)

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線路脇の家

雲1つない青空に、青い屋根の家がぽつんと1軒だけある。

寒々しい。不気味な感じもする。

 

地面が見えない。

地に足がついていない感じもする。

地面がどうなっているか分からず、

不気味な感じを増幅させる。

 

窓の日よけ、上がっている所がある。

誰かがいる。あるいは、以前にいたのだろう。

 

なぜこの家は線路脇に建っているのだろうか?

線路といえば、電車、文明、という連想が思い浮かぶ。

 

家が線路でさえぎられていることから、

“文明による遮断”というイメージが浮かび上がってくる。

 

この家の持ち主は地域の有力者だったが、

文明が発達するにつれ、衰退していった

というような物語が思い浮かぶ。

 

しかし、まだ廃墟にはなっていない。

まだ望みは残っていそうだ。

家にも光が射している。

踏みとどまるか否か、正念場、という感じかな。