絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

019.グスタフ・クリムト ≪エミリー・フレーゲの肖像≫ 1902年 ウィーン・ミュージアム

f:id:hi02:20190218234545j:plain

エミリー・フレーゲの肖像

2019年4月24日(水)~8月5日(月)まで国立新美術館

2019年8月27日(火)~12月8日(月)まで国立国際美術館(大阪)で

開催される“ウイーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道”展で

見ることができる作品を取り上げます。

 

くじゃくのような衣装を身に着けた女性が

軽く腰掛けて、すくっと立っている。

目は少し軽蔑しているように見える。

 

誰に対して軽蔑しているのだろうか?

くじゃくからの連想で、

見た目に惹かれて声をかけてきた男性に対して、

ちゃんと内面・性格を見なさい

と静かに諭していそう。

 

すくっとした立ち姿から、

見た目だけを追っかけている男性に頼ってはダメよ、

自立しなさい

と女性にも警告を発している印象を受ける。

 

背景とのなじみ具合から、

かといって社会と対立するのではなく、

社会に溶け込みながら、

自分の立ち位置をしなやかに見つけていく重要性を

伝えていそう。

 

女性の生き方のメッセージを発している作品に見えた。

 

hi02.hatenablog.com