絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

016.フェルナン・レジェ ≪三人の女性≫ 1921年 MoMA(ニューヨーク近代美術館)

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三人の女性

褐色の肌の女性1人と、白人女性2人が描かれている。

白人の2人は、髪の分け方は逆だが、顔は似ており、

双子の姉妹に見える。

3人とも裸である。

 

ポップな感じの部屋にいる。

3人ともソファーの上で、くるまったり、寝そべったり、

飲み物を飲みながら本を読んだりしている。

 

女性たちは丸みが強調される一方で、

じゅうたんの模様、テーブル、ソファーの後ろの家具は

角張っている。

そのため、女性の丸みがより際立つ。

 

女性たちはリラックスして、こっちを見ている。

何を見ているのだろうか?

 

まず思い浮かぶのはテレビだが、

この時代に居間にテレビはなかっただろう。

 

だとすると、本作を見ている鑑賞者を見ている、

ということだろう。

難しい顔で絵を眺めていないで、

もっとリラクックして見たら、と言ってそう。

 

そう思うと、褐色の女性の後ろにいる

黒い動物に目がいく。

その動物は安らいでいる。

 

眺めていくうちに、肩の力の抜けていく作品だった。