Untitled 2017年5月にZOZOTOWNの前澤社長が123億円で落札した本作品。 東京の森アーツセンターギャラリーで 2019年9月21日(土)~11月17日(日)まで開催される “バスキア展”で観ることができる。 一目見て、荒々しいタッチから、力強さを非常に感じること…
黒地に赤い円 赤は血かなと思う。 描かれたものが×印だったら、危険というメッセージを 受け取っただろう。 ◯なので、血の上に平和が成り立つんだ、 平和ボケするな、といったメッセージを感じる。 赤は唇で、中の黒は口の中にも見える。 赤はリンゴで、黒い…
食べる 炎に包まれる中で、彼は食べているのだろうか。 いや、彼は暑がっておらず、 赤は彼の怒気のように思われる。 彼はものすごく怒っている。 そのため、怒りのパワーが外にあふれ出ている。 その怒りを行動に移さないでなんとか押しとどめ、 行動に移す…
カード遊びをする人々 2019年9月10日(火)~12月15日(日)まで東京都美術館で 2020年1月3日(金)~3月15日(日)まで愛知県美術館で 2020年3月28日(土)~6月21日(日)まで神戸市立美術館で 開催される“コートールド美術館展”で 見ることができる作品を取り上げる。…
オランピア 正直、ぎょっとした。 ヌードの白人女性の後ろに、黒人の家政婦が描かれている。 白人の気品ある男性が後ろにいたら、 白人の女性は恥ずかしさで このようなポーズは取れないだろう。 黒人の女性だから、 対等な人と扱っていないからこそ、 その…
騒がしい風景 タイトルを見ると“騒がしい風景”とある。 確かに初見では、乱雑さを感じる。 しかし、うるさくて迷惑な感じはしない。 楽しくわいわいやっている感じを受ける。 なぜかを考えてみる。 1番は、全てが黒枠で囲われているからだろう。 それにより…
あかんぼを 母が赤ちゃんを抱えている。 両手で抱えていること、 温かみを感じることから、 母は優しく抱いていることがうかがえる。 赤ちゃんの方も、 手や足が丸まっていることから、 母の腕の中で安らかにくるまっていることが うかがえる。 母の表情も赤…
人体の習作 タイトルには“人体の習作”とある。 しかし、男性らしき人は後ろを向いている。 後ろ姿の習作なら分かるが、 なぜこれが人体の習作なのだろうか。 後ろ姿こそが、その人の人となりを表す。 背中で語る、ということなのだろうか。 人は裸で、どこか…
バラを持つ女 精神分析の祖、ジクムンド・フロイドの孫の作品を 取り上げます。 目をギョロつかせた女性が 手にバラを持っている。 バラといえば、 遠くから見る分には綺麗だが、 近すぎるとトゲがあるのでケガをする、 距離を縮め過ぎると危険な魔性の女性 …
スイカを持つ子ども 着飾った顔面蒼白な子どもが スイカを持っている。 CMを撮る前の 子役スイッチを入れる前の 緊張した子どものように見える。 監督が「スタート」と言った瞬間 彼の表情はぱっと明るくなり、 スイカにかぶりつく。 その数秒前のシーンに見…
セレベスの象 タイトルには“象”とあるが、 中央に描かれているのは、 何かの大きな装置のようである。 確かにその装置は象のようであり、 装置から出ている管は 象の鼻にも尻尾にも見える。 私には尻尾に見え、 象の後ろ姿が大きく描かれているように感じる…
舞台の踊り子 右に、踊っているバレリーナが描かれている。 腕の微妙な形や衣装から、優美さが伝わってくる。 しかし、私は舞台のそでが気になる。 黒い服を着た人は舞台監督だろうか、 踊っているバレリーナのコーチだろうか。 そでには、他のバレリーナが…
赤、青、黄のコンポジション これが絵なの? と子どもの頃にとても不思議に感じたことを思い出す。 これを絵として発表した モンドリアンの度胸に圧倒される。 これが絵なの?と何度も何度も質問されたことであろう。 これを評価した人にも感嘆を覚える。 確…
洗濯物のある家 奥行きがない。 遠近法を使わず、 真横から見ている絵となっている。 子どもが描いた絵のようだが、 敢えてそうしているのだろう。 おんぼろの家の前に たくさんの洗濯物が干されている。 空と家の壁の灰色さも加わって、 貧しい生活を送って…
晩鐘 “今日も一日、無事に作業ができました。 神様、ありがとうございました” と祈りを捧げていそう。 この時間に仕事を終えて帰途につけるという 日々をきちんと過ごしていることへの 尊さが描かれている。 地に足がついた生活を送っていることへの 貴重さ…
ヴィル・ダヴレー 単なる森の小道を、 ここまで芸術作品として仕上げることができるのか というのが、最初の感想だ。 下手な人が描いたら、 何の変哲のない作品になってしまうだろう。 木々のおい茂り具合、 朝焼けか夕焼けのふんわりした光の加減と空気感、…
夜のカフェ・テラス 第一印象では、 ゴッホはこんな温かみのある作品を描けるんだな、 と思った。 ゴッホといえば、 もっとおどろおどろしい 対象物に迫り過ぎた 作品を見ていると息苦しさを感じることがあるものを 描く人と思っていたので、 とても意外に感…
国会議事堂の火事 1834年10月16日 対岸の火事が幻想的に描かれている。 おどろおどろしい雰囲気は感じない。 燃えている物や炎といった火事に関するものが 直接的には描かれておらず、 距離をとってぼんやり描かれているからだろう。 本作品の観客は対岸から…
Part of G 月に照らされた、ある街が描かれている。 星の王子様の挿絵のようだ。 非常に安定感を覚える。 こじんまりで、そこだけで完結している感じがする。 建物が色とりどりで、 明るいイメージを抱かせるからだろう。 建物がいろんな方向に建っており、 …
道 人が行き交い、地面が踏みしめられ、整備され 道ができる。 そのようにしてできる道が、登り坂になっている。 本作からは、 ポジティブなメッセージをたくさん受け取れる。 どんどん道が整備され、 どんどん生活がしやすくなり、 どんどん社会が豊かにな…
ドーヴィル競馬場、レース開始 タイトルには“レース開始”と書かれているが、 観客はまばらで、 熱心に声援を送っている人はいなそう。 このレースに人生をかけている といった緊張感は伝わってこない。 ピクニックに来たような感じで、 牧歌的な感じも受ける…
ドーヴィル、波止場 2019年4月27日(土)~6月30日(日)まで東京・Bunkamura ザ・ミュージアムで 2019年8月7日(水)~10月20日(日)まで静岡市美術館で 2019年11月2日(土)~2020年1月26日(月)まで広島県立美術館で 開催される“印象派への旅 海運王の夢 バレル・コ…
Y市の橋 暗さを感じさせる絵だ。 川が橋の奥でどうなっているか分からない。 先の見通せなさを感じる。 工場の煙突に煙がなく、活気も感じない。 橋を渡って右から左に行っても、 反対に左から右に行っても、 先に明るさを感じない。 人も黒い。 行き詰まり…
ピアノに寄る少女たち ピアノを弾いている少女と その少女の隣でピアノに片肘を置いている少女が 中心に描かれている。 和やかな空気が漂っていることがうかがえる。 その空気を描けることに感銘を受ける。 暖色中心の配色で、少女たちや部屋に暖かさを感じ…
静物 テーブルの上に細長い水差しやビンが描かれている。 どれも細長くて貧弱に見える。 そう見ると、テーブルの脚も貧弱で、 貧弱な土台の上に貧弱なものがのっている構図 であることが分かる。 いつ崩れてもおかしくない、危うさを感じる。 色に目を向けて…
ガス灯と広告 まさに思春期心性を表した絵であろう。 社会全体が自分を屈服させようとする敵に見え、 とがってしか生きることができない時期の心のあり様を 見事に表現している。 購買意欲を高める、本来なら甘く誘ってくる広告の文字が 自分を社会に溶け込…
空間概念 赤いものをカッターで切ったら 下の黒地が見えた、ということだろうか。 タイトルは≪空間概念≫とある。 確かに、奥行きを感じ、3次元で本作を見ている。 しばらく眺めていると、 なぜ4本にしたのか気になってくる。 左から順に切っていき、 1番…
光の帝国Ⅱ 日中に陽の当たらない場所に集う人々が 世界の重要事項を秘密裏に決めていく。 そんな不気味さを一瞬で伝えることのできる作品だ。 青空に雲がいくつか浮かんでいる。 のどかな上部と不穏な下部のコントラストは見事だ。 一般人が下部に対してアプ…
春秋波濤 雅(みやび)。 この言葉に尽きる。 波濤とは、 辞書を調べると、大きな波とある。 陰ながらの支援者(満月)の力を借りながら、 波瀾万丈(大きな波)を乗り越えて 大業(咲き誇っている桜や、紅葉している楓や銀杏)を成した。 言葉で説明すると…
抱擁(恋人たち) お互いに髪を逆立てながら、 男性と女性ががっしりと抱き合っている。 布団のぐちゃぐちゃ具合、 布団の外側が火にも光にも見えることから、 激しい戦いのような抱擁に見えるが、 男性と女性のポーズは意外と普通。 内なる戦いが展開されて…