絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

008.ギュスターヴ・クールベ ≪波≫ 1870年頃

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荒々しい波が下部に描かれている。

上部には多くの雲が描かれており、

雲の下部は少し赤味がかっている。

 

朝焼けなのか、夕焼けなのか。

不気味な印象を抱かせる。

変化の予兆を感じさせる。

 

波からは立ちはだかる壁、

泡からは色々なものがごちゃ混ぜになった混沌、

岩からは波がぶつかった衝撃が感じられる。

 

この風景に惹かれて眺めている人は、どんな人だろうか?

 

激しい感情をなんとか抑えようとしている人かもしれないし、

何か重大な変化が生じるような事を起こそうとしている人かもしれない。

荒波に立ち向かおうとする

人間の強い意志が感じられる。

 

本作からは強烈なパワーが感じられ、

パワーを必要とする人は強く惹かれるだろう。