絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

056.熊谷守一 ≪あかんぼを≫ 1965年 個人蔵

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あかんぼを


母が赤ちゃんを抱えている。

 

両手で抱えていること、

 温かみを感じることから、

母は優しく抱いていることがうかがえる。

 

赤ちゃんの方も、

手や足が丸まっていることから、

母の腕の中で安らかにくるまっていることが

うかがえる。

 

母の表情も赤ちゃんの表情も描かれていないが、

母・赤ちゃんともに穏やかな表情をしていることが

推測できる。

 

描かれているものが最小限なため

刺激が少なく

その点からも、本作を見ていると落ち着く。

 

眺めれば眺めるほど

ゆったりした心持ちになれる良作だ。