057.ジャン・デュビュッフェ ≪騒がしい風景≫ 1973年 ポンピドゥーセンター、フランス
タイトルを見ると“騒がしい風景”とある。
確かに初見では、乱雑さを感じる。
しかし、うるさくて迷惑な感じはしない。
楽しくわいわいやっている感じを受ける。
なぜかを考えてみる。
1番は、全てが黒枠で囲われているからだろう。
それにより、ある程度の枠内で、
社会的に許容された範囲内で、
はしゃいでいる感じを受ける。
赤・青・黒が混ざっていないこと。
枠内は、全て塗られるか・線が引かれるか・全く塗られていないか
の3種類なこと。
画面の中で絵が完結しており、切れている形がないこと。
これらの効果により、
一線は超えずにルールを守って
楽しんでいる印象が強められる。
大人の遊びの手本を示している絵に
私には感じられた。