絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

057.ジャン・デュビュッフェ ≪騒がしい風景≫ 1973年 ポンピドゥーセンター、フランス

f:id:hi02:20190630232616j:plain

騒がしい風景

タイトルを見ると“騒がしい風景”とある。

確かに初見では、乱雑さを感じる。

 

しかし、うるさくて迷惑な感じはしない。

楽しくわいわいやっている感じを受ける。

 

なぜかを考えてみる。

1番は、全てが黒枠で囲われているからだろう。

それにより、ある程度の枠内で、

社会的に許容された範囲内で、

はしゃいでいる感じを受ける。

 

赤・青・黒が混ざっていないこと。

枠内は、全て塗られるか・線が引かれるか・全く塗られていないか

の3種類なこと。

画面の中で絵が完結しており、切れている形がないこと。

 

これらの効果により、

一線は超えずにルールを守って

楽しんでいる印象が強められる。

 

大人の遊びの手本を示している絵に

私には感じられた。