絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

054.ルシアン・フロイド ≪バラを持つ女≫ 1947~48年 ブリティッシュ・カウンシル・コレクション、ロンドン

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バラを持つ女


精神分析の祖、ジクムンド・フロイドの孫の作品を

取り上げます。

 

目をギョロつかせた女性が

手にバラを持っている。

 

バラといえば、

遠くから見る分には綺麗だが、

近すぎるとトゲがあるのでケガをする、

距離を縮め過ぎると危険な魔性の女性

というイメージを抱かせる。

 

女性が手に持ったバラは女性自身であり、

自分の首を自分で絞めた。

魔性の女として振る舞ったことで、

 

駆け引きしないでストレートにした方が良かった。

こんな悔しさが伝わってくる。

 

ギョロつかせてバラを持っているだけだが、

すごく悔しさの伝わってくる作品であり、

感情を伝えるという点においては

非常に優れた作品だ。