絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

039.オーギュスト・ルノワール ≪ピアノに寄る少女たち≫ 1892年 オルセー美術館、フランス

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ピアノに寄る少女たち

ピアノを弾いている少女と

その少女の隣でピアノに片肘を置いている少女が

中心に描かれている。

 

和やかな空気が漂っていることがうかがえる。

その空気を描けることに感銘を受ける。

 

暖色中心の配色で、少女たちや部屋に暖かさを感じることが

できるためであろう。

 

少女たちの服装や丸みを帯びた体、肌や髪のつや、

部屋のカーテン、ピアノの上に飾られた花などから

優雅な暮らしぶりがうかがえ、

全体的に非常に優美な作品となっている。

 

奥に別の部屋がチラッと見えるのが心憎い。

その部屋には絵とソファーのようなものが

置かれているようだ。

家族全体で、リラックスした状態で

絵画に親しんでいることがうかがえる。

 

少女たちの生活ぶりの別の側面が

チラッと見えるからこそ、ドキリとさせられる。