絵画感想文 〜臨床心理士がアート作品と対話しながら鑑賞し、作品の意味について考え、感受性を磨く訓練をしてみました〜

知識はなく、解説はできません。思い浮かんだことを、自由に書いていこうと思います。作品との対話による美術鑑賞や、ハウゼンとヤノワインのVisual Thinking Strategy(VTS)をやってみた、という感じです。

040.松本峻介 ≪Y市の橋≫ 1943年 MOMAT(東京国立近代美術館)

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Y市の橋


暗さを感じさせる絵だ。

 

川が橋の奥でどうなっているか分からない。

先の見通せなさを感じる。

 

工場の煙突に煙がなく、活気も感じない。

 

橋を渡って右から左に行っても、

反対に左から右に行っても、

先に明るさを感じない。

 

人も黒い。

 

行き詰まり。逃げ道のなさを感じる。

暗さにただ向き合うしかない、と感じる。

 

好印象を抱くことは、どの対象物もしっかり描かれていること。

暗さと真正面から向き合っている感じはする。

 

橋の白さには可能性を感じる。

橋はつなげる存在だ。

物なのか、人同士なのか、国同士なのかは不明だが、

交流し続ける大切さを感じた。