2019-04-30 045.J.M.W.ターナー ≪国会議事堂の火事 1834年10月16日≫ 1835年 フィラデルフィア美術館、アメリカ 国会議事堂の火事 1834年10月16日 対岸の火事が幻想的に描かれている。 おどろおどろしい雰囲気は感じない。 燃えている物や炎といった火事に関するものが 直接的には描かれておらず、 距離をとってぼんやり描かれているからだろう。 本作品の観客は対岸から火事を眺めており、 正に“対岸の火事”で、身の危険を感じないことから 安心して本作品を眺められる。 川面に火が映っていることや、煙の流れから 不純物が燃えて浄化されていくような気持ちさえ 生じてくる。 このような安全な形で心のわだかまりを処理したい と願うことは少なくない。 しかし、現実には中々難しい。 だからこそ、本作品は人々を魅了し続けるのだろう。